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森永誠の釣り日和

2009.08.16 Sunday第47回 海のゴキブリ"フナムシ"でグレ釣り

フナムシ。姿、形だけを見ると海のゴキブリそのものです。護岸や磯や海岸などでフナムシを目にしますが近年、数がグーンと少なくなったと感じませんか。専門家によると環境悪化で減少の一途のようで、藻類や生物の死骸など様々なものを食べる「海の掃除役」のフナムシ不在は海の環境をさらに悪くすると指摘します。
 このフナムシ、実はエサとしてもよく使われ、特に夏の紀州(和歌山県)ではなくてはならないエサなのです。エサ取りにめっぽう強いフナムシは食い込みもいいことから磯や波止、あるいは船からのフカセ釣りでも使われています。ターゲットはすべてOKですが、紀州ではグレ、チヌ、サンバソウ(イシダイの幼魚=30袖蕁膨爐蠅砲論簑个坊腓せません。いままではフナムシをポイントに撒きながら釣っていたのですが、数が少ないため値段が高騰して、いまはサシエだけフナムシを使うようになっています。しっかりと撒いて釣るならば何千円の世界ではなく、ワンランク上の値段が必要になるようです。
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 夏はフナムシのフカセ釣りが有効だと誰もが分かっているのですが、フナムシを撒くときは手でギュッとつかむ、この行為に尻込みする人が多いのが現実です。フナムシを入れたカゴの中に手を入れると、フナムシが外に出ようとばかりに、指先から腕の方にゴソゴソと這い上がってきます。どうです、想像するだけで鳥肌が立つ、なんていう人もきっといるでしょうね。私は平気でサンバソウ、グレ狙いでよく紀州の田辺の磯へ出かけています。サンバソウだけでなく、イシダイと呼べる50詑罎皀劵奪箸垢襪らたまりません。こんなにいい釣りはないとそう思っています。
 そうそう、フナムシが人間を噛むことをご存知ですか。もう20年ほど前になりますが、広島県の島しょう部で夜にマダイを狙ったときのことです。足場がガタガタの岩場にベニア板をひいて仮眠を取っていたときのことです。首や腕がチク、チクと痛いのです。とっさに手でその付近を払うとフナムシが這っていたのです。おまけにその付近に小便を垂れ流す憎たらしいフナムシ、それからは一睡もできずに朝を迎えました。まさかフナムシが人間様を噛むなんてねえ〜。
 先日、和歌山市内の釣友から「海南の船でグレを釣らない?」とお誘いを受けました。大好きなフナムシで釣るというので、迷うことなく「行きます」と即答しました。地方から竿を出せない海南港の護岸横に船を掛けて30詑罎離哀譴鯀世うという計画です。ただし、マキエはアミエビとヌカのミックスで、サシエだけフナムシを使います。本当はフナムシをしっかりと撒いて釣りたかったのですが、フナムシは高いですからね〜。
 マキエを入れると10造曚匹両アジがワッと集まります。しばらくマキエを撒き続けるとエサ取りの小アジの下にちらちらとグレが見えるようになりました。活性が出ると下から上へとグレが力強くスーと浮き上がり、すると海面に群れていた小アジがさっと散ってしまいます。このパターンになるとグレが先に口を使うので、玉ウキがスーと消し込まれます。竿がグーンと美しい弧を描き、パワフルな引きを何度となく味わいました。ただ、この日は全体的にグレの食いは渋く、何とか2ケタには乗せたのですが数には不満が残る結果となってしまいました。
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 マキエにつられて何度となく海面まで浮き上がってくるグレの群れ、その光景を見るだけでもうれしくなってしまいます。このフナムシのグレ釣りはフィッシングセンター船橋の大西さん(筍娃牽亜Γ僑隠械院Γ毅毅隠掘砲泙如秋口までは十分楽しめますよ。
 この釣り場に写真のようなかわいい小西ニャンコがいます。船頭さんの大西さんを慕って側に来るようになったネコだそうで、大西さんに対して小西ニャンコというネーミングが付いたそうです。このニャンコは賢くてグレを釣ったら知らん顔ですが、大好物の小アジを釣ったらムクッと首を持ち上げ、早く小アジをくれと催促します。船から小アジを投げるとしっかりと両手でキャッチして「ニャ〜ン」とお礼をいうから驚きです。今日もずっと私達を見守ってくれました。
それと日中の冷やしソーメンは何よりもご馳走です。釣友の北山さんが夏限定で持参してくれるので、いつも楽しみにしています。冷たいソーメンが口の中にツルツルと入ると身も心も爽快です。北山さんご馳走さまでした、次回もお願いしますね。
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  海南の名所として和歌山マリーナシティ海洋釣り堀があります。海釣り公園も隣接しているのでたくさんの家族連れが訪れる実績場です。海洋釣り堀はマダイ、シマアジ、カンパチ、メジロ、ヒラメなどの大物を日中に狙うですが、8月中の土曜日は日中だけでなくナイターでも釣り堀を楽しむことができます。日中の暑さを避けて、夜の涼風を感じながら電気ウキの妖しげな明かりを見つめながらの釣り、なかなか風情があると思いませんか。マダイの強い引きと青物のパワーをぜひ夜に体験してほしいものです。ナイター希望者は同海洋釣り堀(筍娃沓魁Γ苅苅検Γ娃娃横亜同0075)まで。釣りタイムは午後4時から午後9時までとなっています。
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2009.08.01 Saturday第46回 魚の“旬”はよく釣れて獲れて美味い時期!

釣り人は“旬”を大事にしています。その時期に釣れる人気魚を追いかけ、その魚で季節の移り変わりを実感するといわれます。ところで「魚の旬はどういう時期ですか」なんて正面切って聞かれると「それはそのー、えーと…」とほとんどの人が口ごもる傾向にあります。
魚の旬とは2通りの意味があるようで、一つは「その時期によく獲れる、あるいは釣れる魚」が旬だといいます。昔はいまのようなハイテクの大型高速船はなく、櫓を漕いで近くの海で漁をするのが常でした。そんな漁法でたくさん獲れる魚が旬の魚だそうで、季節が変わった、いい季節がやってきたぞと人々は感じたようです。  もう一つはその魚が最も美味しい時期が旬だといわれます。「この魚は脂がのって美味しいね」といわれるときが旬なのです。魚がベストコンディションだから美味しく、その魚を頂く私達も当然のように健康になるのです。釣った魚はとても新鮮で美味しく、釣りの最中は体もよく動かしているので“釣りは健康にいい”と大きな声でいえます。
 大阪湾の夏のターゲットはいろいろありますが、いま最も人気を集めているのがマダコです。そうマダコがいま旬なのです。釣り方はいろいろあるのですが船からではなく、手軽な波止から狙っています。他府県のマダコ釣り事情は把握できていませんが、大阪湾ほど波止から釣れる場所はないとそう思っています。  “梅雨の水を吸って大きくなる”といわれる大阪湾のマダコですが、今季は梅雨らしいジメジメと降り続くことは少なく、降るときは本降りというよりスコールで、この大雨がマダコの成長に悪影響を与えるのではという声もありました。しかし、その心配は無用でした。7月22日現在、近畿はまだ梅雨明けしていませんがマダコの新子は順調に上がり、100〜200弔棒長したものが姿を見せています。ときには1船▲奪廖■沖船▲奪廚離咼奪阿盻亳修靴督爐蠖佑魘辰せています。
その新子に会いたいと7月12日に実績場の大阪・南港へ出かけました。 朝イチ5時の渡船はマダコ狙いの釣り人ばかりです。
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日中は暑くて灼熱との闘いになるので、8時までの集中3時間勝負です。大阪・南港へのマダコ狙いは7年ぶりの私、最新ポイントや釣り方が把握できていないので、常連さんの後ろに付いて見様見真似で釣り開始です。大阪湾の波止のマダコ釣りはタコジグを使い、波止際を狙うのがセオリーですが、今年はチョイ投げして誘うのがヒットにつながるといいます。マダコはなぜか波止際には付いていないようで、基礎石の上やかけ上がり付近にいるというのです。なぜなのか、その理由は分かっていません。マダコに聞かないと分からないと思います。
いくら波止際は釣れないといっても、何匹かは乗ってくるだろうとやってみましたがアウトでした。乗ってくるパターンはチョイ投げしてからゆっくり、あるいは小刻みにタコジグを動かす、この誘いがマダコの好奇心を高めるようで、タコジグに抱き付きグーと重くなります。これが乗った証拠であとは一定の速さでリーリングすると海面にマダコの新子が姿を見せます。このパターンでタイムアップの8時までに15匹仕留めることができました。
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マダコはタコジグに乗せる面白さだけでなく、食べる楽しみもあるのです。新子は柔らかくて甘くて最高に美味しいのです。我が家ではちょっと贅沢ですが“たこ焼き”の具として使っています。大阪湾のマダコが入ったたこ焼きを味わうと、外国産タコのたこ焼きでは物足りなくなってしまいます。私と同じ考えの人も多くて、この日もマダコを手にして「今日は帰ってからたこ焼きパーティーです」と微笑んでいました。
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最高に美味なマダコ
マダコ釣りが本格化すると釣り人が一気に増えて、渡船店はニコニコ顔、そして釣具店もタコジグが飛ぶように売れるので待ちに待った季節なのです。実はタコジグは消耗品のため根掛かりで失うことが多く、釣行の際はカラーの異なるジグも必要なため商売として成立するのです。大げさではなくマダコが釣れるほど大阪の釣り業界は活性が高まるのです。
ここ数日前からハマチの幼魚であるツバス、そしてタチウオの回遊情報が入ってきました。旬の両ターゲット、さあいつ釣りに行こうかな、なんて…。
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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