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森永誠の釣り日和

2009.06.16 Tuesday第43回 「環境月間」に合わせた大阪湾クリーン作戦

 毎年6月は「環境月間」というのをご存知でしょうか。この環境月間は国が定めたもので、環境保全に対する意識を広く国民に知ってもらおうと各地でいろいろなイベントが行われています。関西では第五管区海上保安本部が海洋汚染の監視取締りを行うと共に、「未来に残そう青い海」をスローガンに地方公共団体、環境団体、漁業協同組合、そして釣り団体が参加して「大阪湾クリーン作戦」が展開されています。
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 このクリーン作戦は昭和59年からスタートして今年で26回目を迎えますが、広く浸透しているかといえば「ウーン」と言葉に詰まってしまうのが現実です。というのも1日から30日までにこのクリーン作戦に参加した人数を調べると平成19年は8204人で、これは平成18年に比べると7401人の減少です。減少の原因を探ると、やはりこの時期はお天気が関係してしまうようで、悪天候になると大きなイベントが中止となり、それによって参加人員が大幅に減少してしまうのです。クリーン作戦に参加する人は多くても1万5000人、これが多いか少ないかは悩むところでしょうね。ただ、私自身は地球的規模的になっている環境問題、もっと多くの人が関心を持って参加してもおかしくない、そう思っている1人ですので、参加者が少ないというのが本音です。
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 この大阪湾クリーン作戦の目玉はゴミの回収です。1カ月のゴミ回収量は平成18年で768・7邸∧神19年は582・7邸∧神20年は608・6鼎如∧神10年の1429鼎鬟圈璽に回収量は減少しています。ゴミの種類ですが全体の30涌幣紊プラスチックやビニールで、その次が木片の約25佑箸覆辰討い泙后6辰ゴミとしては冷蔵庫、テレビといった電化製品、タイヤやバッテリーもあるのです。家電リサイクル法によって電気製品の回収は有料となっていて、不要となった家電を出す一般の人にも負担がかかります。これが不法投棄につながっているのではないでしょうか。電化製品を購入する際に回収費用を含む値段設定にしておく、そういった施策も必要ではないかと私は思っています。
 いまから6年ほど前のクリーン作戦時にこんなことがありました。海遊館近くでの海底掃除のときでした。ダイバーの女性の「大阪の海って緑色なのね」の第一声はいまもはっきりと覚えています。海の色は青色が当たり前で、大阪湾では汚染の代名詞というべき「茶色」も使われますが緑色は初耳でした。その女性は大阪湾に潜ったのは初体験で、緑色という言葉は素直に出たといいました。大阪の海は青いといわれる日が近い将来来ることを信じたいですね。
 6月7日、大阪湾クリーン作戦の一環として行われる「大阪南港かもめ大橋付近の清掃」に参加しました。この催しは大阪府釣り団体協議会による恒例の清掃活動で、当日の午前9時からスタートです。同協議会は磯釣り、波止釣り、投げ釣り、ルアー釣りなどの連盟やクラブが大阪の釣り普及と発展のためにと集まり活動しているもので、昨年から問題化している大阪港の立ち入り禁止にも積極的に取り組んでいます。
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 今回のクリーン作戦に参加したクラブは全関西磯釣連盟、大阪府釣連盟、全日本磯釣連盟、泉州ハネ釣研究会、チヌ関西連合、関西疑似餌倶楽部、釣り文化協会、サーフ和、JOFI大阪、JOFI兵庫の34人です。ほとんどのメンバーが私の仲間で、中には串本で釣り大会が開かれているのに急ぎ串本から引き返して参加した人もいます。大きなビニール袋とゴミはさみを持ったメンバーはプラスチック、ビニール袋、空き缶、木片などを次々に拾い集めていきます。
 私も取材をしながらゴミを拾っていきます。ケーソンの継ぎ目にたくさんの空き缶が食い込み、何とかして回収しようと試みたのですが全く動かず断念しました。草むらには空き缶や仕掛けの袋や残りエサがいっぱいで、草をかき分けながらの回収作業には苦労しました。ある場所では真っ黒な空き缶が20個以上、これはゴミといっしょに缶を燃やしたもので、よくぞ火事にならなかったものです。決して釣り場では火を燃やさないようにお願いします。
 1時間30分ほどで集まったゴミは70袋以上。この釣り場でも年々ゴミは減少していますが、人の目に止まらないところにたくさんのゴミ、そして私たちの力では回収できないゴミがかなりありました。ゴミのない釣り場への道のりは険しいといえそうです。
 ゴミ問題で釣り場がシャットアウトになったところが各地にあります。そういう悲劇を繰り返さないためにも、釣り人ひとり1人が環境保全の意識とゴミを出さないという決意を持つことが大事ではないでしょうか。清掃終了後に「みなさん今日はお疲れ様でした。熱心に清掃をしてくれおかげで短時間のうちにきれいになりました。今後もご協力をお願いします。そして昨年に起こった釣り人の死亡事故による大阪湾の立ち入り禁止問題、残念ながらまだ解決していません。これについてもみなさんのご協力をお願いします」と同協議会の佐藤功会長が結束を呼びかけていました。
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 第五管区海上保安本部のホームページにはクリーン作戦の予定が記されています。無理なく参加できるイベントを選んでいただき、大阪湾の環境保全に力を貸してください。関西だけでなくほかの地区でもクリーン作戦のようなイベントが行われるはずです。たくさんの人が参加してくれることを望みます。

2009.06.01 Monday第42回 紀州・海南にクロダイの新釣り場誕生

 北海道以南に生息するクロダイ(関西ではチヌ)は全国区的な人気魚です。そのため各地ではいろいろな釣法で楽しまれるクロダイ、その釣法を紹介するだけで1冊の本が出来上がってしまいます。いまは廃刊となっていますが、週刊釣りサンデー(廃刊)時代に私と同僚2人で全国の19釣法を現地取材した別冊「精鋭たちのチヌ」は、その当時クロダイ釣りファンの間で大きな話題となりました。
 その「精鋭たちのチヌ」でも紹介していますが、江戸時代からある2つの伝統釣法はいまでもしっかりと受け継がれています。その釣法とは和歌山県では当たり前の「紀州釣り」と、山形県庄内で誕生した「庄内釣り」です。この両釣法は江戸時代から伝わっているだけでなく、もうひとつ共通する部分があるのです。それはお殿様が武士の鍛錬のためにと釣りを奨励していたことです。体を鍛えるだけでなく、釣り上手は武芸につながるという考えがあったようです。庄内では大小関係なくクロダイを釣った人は褒められて持ち上げられていたといいます。この伝統釣法、今後もしっかりと受け継がれていってほしいと願うばかりです。
 さて、5月の関西のクロダイは乗っ込みのシーズンです。すでに乗っ込みは終了している場所もありますが、本番のところもあります。これだけ情報が氾濫する昨今、クロダイの新釣り場なんて存在しないなんていわれますが、探してみるとやっぱりあるんですね、これが。
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 マスコミの仕事をしていると各地に友人がいます。和歌山市内で理髪店を経営している北山朗比古さんも古くからの友人で、彼は仕事の関係上いろいろな人から釣りの情報が入ってきます。もちろん、彼自身も根っからの釣り人で、釣り場開拓にも精力を傾けています。その北山さんから最新情報が入ってきました。初めての釣り場で船を掛けて釣ったところクロダイを20尾、その翌週には何と60尾も釣り上げたというのです。ただ、彼の名誉のためにいっておきますが、いくら釣れるだろうかと試したようで、釣り上げたクロダイは必要な分以外は優しくリリースしています。
 「いまなら確実に釣れるから来ませんか」とお誘いを受けたので、5月18日に出かけることにしました。月曜日は午前中にラジオの生放送(タックルベリーがスポンサー)があるので、船に乗ったのは午後1時ごろでした。潮周り的にはよくないのですが、新釣り場ということで期待は大きくワクワク気分です。海南港から船を走らせ、釣り公園シモツピアーランドを過ぎ、荒崎の少し先に大きなタンカーを係留するバースがあります。このバースの支柱にクロダイがびっしりと付いているのです。
 水深は25辰曚匹反爾、クロダイだけでなくマダイ、スズキ、グレとあらゆる魚が付いているそうです。ロープで船を固定してハリス1・7号のフカセ釣りでクロダイを狙います。ウキ下は3ヒロ前後と浅いのですが、マキエをするとクロダイが浮いてくるから大丈夫と案内役の北山さんは話します。船長の大西さんも古くからの顔馴染みで、気心がしれているだけに今日はいい釣りができそうです。
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 初アタリは北山さんでした。「ウン、これは引きがおかしい、チヌとは違う」といいながら海面に浮かしたのは30汰宛紊離哀譟淵瓮献福砲任靴拭「やっぱりグレは多い、これは楽しめるぞ」とグレ釣り大好きな北山さんはご機嫌さんです。次も北山さんにグレがヒットして、本命のクロダイが釣れたのは竿を出してから20分後でした。これも北山さんが仕留めて、私にはエサ取りの小アジばかりです。小アジといっても20造曚匹呂△襪里琶流せず、食べるためにイケスに入れていきます。大西船長は私のお土産にと専門にアジを釣り始めました。いつしかイケスは小アジでいっぱいです。塩焼き、フライ、テンプラ、どう料理して食べようかな。
 1時間経過するころからクロダイの活性が高まってきました。と同時に私にも本命が掛かりだし、1時間ほどで5尾キープすることができました。サイズは小さくても40臓∈蚤腓48造曚匹任靴腓Δ。先週は50造かなりまじったようですが、今日はまだ1尾もヒットしません。
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 玉ウキがスーと海中に消えたころにバシッと合わせると、ガツンの衝撃が走ります。サイズがそろっているから竿を叩きながら底へクロダイは走ります。5時ごろ連発で3尾仕留めて合計8尾になったところで、竿を納めました。北山さんは5尾と振るわなかったのですが、これはベストポイントに私が入ったからで、釣り座が逆だったら、きっと北山さんは軽く2ケタは突破していたことでしょう。
 いや、久々にクロダイの強い引きを味わうことができました。偏光グラスで海中を見るとクロダイのほかにグレの魚影も確認できました。こんないい釣り場が大阪からけっこう近い海南にあったなんて、やっぱり探さなければいけませんね。まさに「クロダイの新釣り場誕生」と言い切ってもかまわないでしょう。クロダイを釣りたい、そう思う人はいますぐに船橋釣具店の大西さん(筍娃牽亜Γ僑隠械院Γ毅毅隠掘砲泙如M縮鵑必要です。
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 やっぱり、釣りは竿が曲がらないと面白くないですね。あー楽しかった。そうそう、帰り際の和歌浦湾、写真のようにあちらこちらでイワシのナブラが立っていました。これはイワシがタチウオ、青物などに追われている証拠で、いま和歌浦湾は釣り本番を迎えたといってもいいでしょう。これからが楽しみです。多方面の人も関西に出張の折、時間がありましたら一度竿を出してみませんか、きっと満足できる釣りができると思います。
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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