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森永誠の釣り日和

2009.03.16 Monday第37回「父親の死と岸和田のハネ大会」

2月25日、私事ですが午前4時8分に父親がこの世を去りました。享年79歳。年老いてから病気、病気との戦いだった父親、いま考えてみるとこの数十年は父親の笑顔を見たことがなかったように思います。あそこが痛い、ここが痛い、そして苦しいということばかりで、それを素直に表現できず母親に大声を上げていた父親を思い出してしまいます。そのたびに嫌な気持ちになっていた私、子供としてもっと父親の気持ちを理解してあげればよかった、なんていま感じているのですがもう遅いですよね。
 父親との思い出は私が小学生だった故郷・屋久島でのときのことばかりです。典型的な昔ながらの父親で「父親は怖い」「父親はえらい」という教育を受けていたので、親に口答えするなんてことはありませんでした。躾にも厳しい父親で食事をするときは必ず正座をして「頂きます」「ご馳走さま」を言わないと、すぐに頬や頭に手が飛んできました。父親はお酒もタバコも大好きで、特に芋焼酎の本場でもある屋久島のこと、悪酔いするほどよく飲み、酔うと決まって私達兄弟にお説教でした。正座して黙って聞くだけ、それが嫌で反面教師ともでもいいますか、お酒は絶対に飲まないと子供心に誓ったものでした。もちろんタバコもそうでした。いま飲酒運転による事故が多発していますが、お酒を飲まない私にはそういった心配はなく、これは父親のお陰かもしれませんね。いまでは感謝しています。
 威厳のある父親でしたが、釣りはよく連れていってくれました。釣りに行くときは決まって朝に「エサ取っておけよ」。これが合図でした。夕方前に兄貴らと近くの川で生きエビを取り、父親が仕事から帰るとすぐに釣りに出かけたものでした。ターゲットは屋久島で「クロ」と呼ぶグレ(メジナ)です。4、5尾も釣れば「帰るぞ」という感じで、そのグレを持ち帰り、母親が料理してよく食べたことを懐かしく思い出します。釣りの最中は機嫌のいい父親、仕掛けから釣り方まで教えてもらったものでした。私の釣りはここからスタートしています。
 病院から「危篤です」と連絡を頂いたのは当日の午前3時30分でした。その前から「もう長くないですね」と病院の先生から話を聞いていたので、少しでも仕事をクリアしておかなければと原稿を書いている最中でした。前日は取材で体は疲れて悲鳴をあげていましたが、このときだけは「やらなければ…」とデスクに向かっていました。これが虫の知らせとでもいうものでしょうか。すぐに母親を起こし、嫁と3人で病院に駆けつけたのですが父親はすでに息を引き取っていました。5分前に静かに息を引き取ったそうで、先生は「苦しむことなく安らかに眠るような感じでした」と話してくれました。その通りでまるで眠っているような安らかな顔の父親、悲しいという気持ちはなく真っ先に「親父、お疲れ様」と心の中で話しました。
 実は土曜日、日曜日に大事な仕事を抱えていた私。母親や嫁が「お父さんが仕事をしなさいと日を選んでくれたのよ」といいます。木曜日にお通夜をして、金曜日にお葬式をすれば仕事に行けるというのです。一瞬ためらいましたが、きっと父親もそれを望んでいるだろうし、何よりも家族や親戚も仕事を勧めてくれるので、その日程でやるべきことを進めることにしました。私事だったので父親の死を親しい人しか連絡していなかったのですが、お通夜、お葬式にはたくさんの仲間が出席してくれました。お通夜には嫁の親戚で、テレビやラジオでもお世話になっているオール阪神さんも忙しい仕事の合間をぬって駆けつけてくれました。お通夜終了後は隣接の喫茶店で阪神さんを囲み、たくさんの仲間が集まりワイワイ、ガヤガヤとにぎやかです。仲間を集めたのは父親の力で、きっと父親のことだから「お通夜で悲しむことはないよ、仲間を大事にして仲よくしろや」と天国で微笑んでいたことでしょう。いまはぽっかりと大きな穴があいた母親を見守って大事にしていこう、それを強く思っている私です。

 話はがらりと変わりますが、いま大阪湾の各波止ではハネがベストシーズンを迎えています。ハネとはスズキに届かない40属幣紂60駄にを関西でこのように呼んでいます。早速、私も取材を兼ね師匠である泉州ハネ釣研究会の今中毅会長と、通い慣れた大阪府岸和田の沖一文字に出かけました。久しぶりのハネ釣りで期待いっぱいですが、西寄りの強風で釣りづらいことこの上ありません。寒さに震えながらも朝一番から竿を出したのですが、いまさらながら釣りって難しいですね。師匠は3尾釣ったのですが私は何とボーズです。おまけにお隣の親子連れもハネの姿を見ていますから悔しいですね。そして羨ましい。
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 親子で釣りをする光景は微笑ましいですね。ついつい話を聞きたくなった私、近づくと見たことのある親子連れでした。そのとき子供の様になった釣りスタイルを見て「ああー」と思い出しました。昨年4月に開かれた「岸和田ハネ釣りオープン大会」でジュニアの部で優勝した鶴留亮太君でした。亮太君は一昨年もジュニアの部で優勝しています。今年の4月大会に備えてお父さんと下見がてらに釣りに来ているようです。さすがはチャンピオン準備万端ですね。3年連続を狙う亮太君、期待していますよ。
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 今年の「岸和田ハネオープン大会」は4月5日(日)に開かれます。主催は泉州ハネ釣研究会で山田渡船さんら各メーカーも協賛しています。もちろん私もこの大会を応援しています。私がレギュラー出演しているサンテレビのビッグフィッシングも、毎年のように当日の大会を撮影して放送しています。今年も撮影予定です。
250〜300人が集まるオープン大会は参加費無料で、参加者全員に何らかの賞品がもらえる異色の人気大会です。一般の部、ジュニアの部、レディースの部もあるのでぜひ家族そろって参加して下さいね。毎年参加している私、今回は優勝を目指して私は頑張るつもりです。問い合わせは山田渡船(筍娃沓押Γ苅械供Γ械坑苅后砲泙如
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2009.03.01 Sunday第36回「関西で大人気の釣り公園は“メバル天国”だ」


防波堤(関西では波止と呼ぶ)の釣りはやはり魚が釣れないとファンは集まらない、釣り人の活気が出ない、それを実感しました。いま防波堤の釣りは全国的にターゲットが少なく、低水温によって魚の食いが低下しています。そのため防波堤釣りファンは情報をがむしゃらに集め、何とか1尾でも釣りたいと悩んでいるのが現状です。
 大阪府と和歌山県の境目に位置する大阪府小島は関西でも唯一、自然海岸が残る美しいところです。関西の釣り人には馴染みのある釣り場で、防波堤の釣りというよりも投げ釣り場として定評のあるところです。その小島に一昨年の秋、釣り公園「とっとパーク小島」がオープンしました。同釣り公園は景観が最高な上に、大物から小物までコンスタントに釣れたので一気に大ブレイクしました。冬季の釣り物が少ない時期でもほかの地区よりもターゲットが多く、大物もよく上がるため、平日でも大人気のスポットとして関西の釣り人に楽しまれています。
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 昨年の冬季、そして今年も1月からある魚が釣れまくっています。それはクリクリ目玉の愛嬌者といわれるメバルです。防波堤のメバル釣りは2ケタ釣れば御の字で、20詑罎まじればもういうことはありません。ところが同釣り公園では耳を疑うような釣果が出ているのです。今年の2月上旬には1人で何と3ケタ釣りの140尾、おまけにサイズは最大28臓25属幣紊10数尾まじったのです。私自身も2月11日、2月18日に取材で出かけましたが、両日とも29造離咼奪哀汽ぅ困鯡楫癲■灰吋芯爐蠅呂覆ったのですが30〜40尾釣った人を確認しています。
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 連日のように28詑罎離瓮丱襪上がり、ハリスをバンバン飛ばされるということから間違いなく夢の30詑罎桟橋の下では幅を利かせていると思われます。
 船釣りでもなかなかこんなベスト釣果はでないのに、なぜにここだけメバルが爆釣しているのでしょうか。その理由はすぐに分かりました。同釣り公園の山原さんに話を伺うと、もともと桟橋付近は船のメバル釣り場で昔から数も型も期待できるところだったというのです。そこに連日釣り人がマキエを撒き、それに伴いメバルが集まってきたのではというのです。水深は桟橋手前で10叩∪菽爾凌爾い箸海蹐30辰畔儔修防戮漾潮の流れもいいので数釣っても次々にメバルが寄ってくるというのです。
 ちょっと古いですが“メバルフィーバー”に沸いている「とっとパーク小島」、京都や滋賀方面からの釣り人も足を伸ばすなど、いま大注目の釣り場なのです。
 大人気のとっとパーク小島、休日になると釣り人で大にぎわいです。11日に訪れたときは驚きました。開園が午前7時の釣り公園。私は6時前に到着したのですが、駐車場は満車状態で係員に渡された整理券は108番でした。ここでは1番から順にゆっくりと入場するシステムになっているのです。「エッ、取材だったら早く入れるのでは…」なんて思う人もいるでしょうが、そうではないのですよ。取材といっても一般の人と同じように整理券をいただき、並んで入るのですよ。皆さんと同じ条件で同じ気持ちで釣りをして、状況をお伝えするのが私の主義なのです。
 では一番乗りの釣り人は同公園に何時に訪れたのでしょうか。ね、気になりませんか。そこはおまかせ下さい。釣り週刊誌時の記者魂がまだ残っている私、しっかりと取材してまいりました。夜中の午前零時に整理券を渡す同釣り公園、当然のように当日に訪れるようでは話になりません。一番乗りは何と“前日の午後6時”といいますから思わず絶句してしまいました。当日にお世話になった常連の宮崎さんは8時ごろに訪れて30番の整理券を頂いたそうで、「最近みんな早くなったね」と笑っていました。
 11日はベストポイントに入ることができず、釣り方も分からなかったため見事に空振りでした。18日は私がレギュラーを努めるサンテレビの「ビッグフィッシング」の取材でした。11日の学習効果で何とか7尾のメバルをゲットすることができました。
 ここのメバル釣りの面白いところは船釣りで釣るようなサビキ仕掛けがいいことです。一般的に防波堤のメバル釣りはメバルの食性を考えると生きエサを使うのがセオリーです。関西では生きエビを中心にシロウオも使います。場所によっては生きたイカナゴも有効です。ところが同釣り公園のメバルは生きエサよりもサビキ仕掛けに反応するのです。サビキの下にオモリ付きのアミカゴをセットして、このカゴにマキエのアミエビを詰めるだけです。エサ代がアミエビだけでメバルが楽しめるのはサラリーマン釣り師にあり難いですね。おまけに同釣り公園では駐車無料、釣り料金だけと釣行費用が安いのも釣り人に多いに受けている理由でもあるのです。
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 同釣り公園では釣りだけでなくて展望台からの眺めも自慢です。左斜めに友ケ島、前方に淡路島、そして右斜めに明石と淡路島を結ぶ明石海峡大橋がくっきり、それを見たいと訪れる人もいるそうです。聞くところではここから眺める夕焼けは絶景で、日本の夕焼け100選になっているといいます。釣りと夕焼けのセットで同釣り公園を訪れるのもいいかもしれません。
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 メバルは5月までロングランで楽しめ、4月になると乗っ込みマダイがシーズンを迎えます。この時期に釣れるマダイは60〜70造瞭誕腓まじり船釣りにも負けません。釣り人の憧れの魚がいっぱいの「とっとパーク小島」、いま関西の大注目釣り場です。関西に出張などで訪れた際は時間があれば一度竿を出して見ませんか。きっと満足してもらえると思います。
 近いうちに同釣り公園で「大メバルを釣りたい」とカレンダーとにらめっこの私です。さて、いつ行こうかな。
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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