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森永誠の釣り日和

2009.02.16 Monday第35回 「フィッシングショー大阪2009」報告記


 2月7、8日に大阪市のインテックス大阪6号館A・Bゾーン、3号館で「フィッシングショー大阪2009」が開かれました。
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このフィッシングショーは恒例の催しで、今年のテーマは「水辺で出会う夢・感動」となっています。このテーマは私の記憶が間違っていなければもう3年ほど同じではないでしょうか。いいテーマだということで使い続けているのでしょうが、テーマは毎年変わる方が新鮮でいいと思うのは私だけでしょうか。毎年たくさんの釣り人が訪れるフィッショングショー、昨年は4万5911人が訪れました。主催者の大阪釣具協同組合では5万人を目標にいろいろなイベントを企画したといいます。
 出展メーカーは119社ですが、残念なことにタックルベリーは出展していません。出展していませんというより、出展したかったけど除外されたという方が正解です。全国に約140店舗もあるタックルベリー、釣り人の底辺拡大、業界の活性に大きな力を注いでいる同社をオミットする組合、残念で仕方がありません。大不況のご時勢ですから業界はみんなで力を合わせて頑張る、それが正しい歩みだと思うのは私だけでしょうか。来年こそは出展できたらいいですね。そのためにも皆さん応援してくださいね。
 雑誌の記者をしているときからフィッシングショーに参加して取材している私、今年で節目となる30年連続の参加となりました。いろいろなイベントでにぎわうフィッシングショーですが、一番人気は「ジュニア&レディース体験マス釣り」です。タイトル通りに中学生以下と女性に限ってマス釣りができるもので、毎年数10分で参加券が完売してしまう人気イベントです。7、8日の両日にマスを釣ることができた240人は超ラッキーといってもいいでしょう。  とはいってもやはりそれなりに苦労しないとマス釣りはできないのが現状です。というのも当日の早朝に並び、整理券を頂いた人だけが参加券を購入できるからです。そこで私は見てまいりました。朝一番の釣り人は何時に並ぶのだろうかと…。
 フィッシングショーのオープンは午前9時です。その前に整理券を配ると聞いていたので、遅くても8時には現地に到着していないと取材はできません。自宅からインテックス大阪までは約1時間、余裕を見ながら逆算して結局は6時30分に自宅を出発しました。前日は業者日だったので丸1日フィッシングショーでたくさんの人との出会い、そして混雑の中での立ちっぱなしは中年、いや熟年の私にとっては辛いものがあります。眠い目をこすりながらも使命感といいますか、どうしてもみなさんに話題の事実を伝えたいと出かけた次第です。
 最近の釣りマスコミって元気がありませんね。話題としては申し分ない一番乗り、きっと数社は訪れているだろうと思ったら誰もいません。私だけがカメラを構えてシャッターを切り、一番乗りの釣り人にお話を聞いたのでした。一番乗りは大阪市内の釣り人でした。せめて苗字だけでも教えてとお願いしたのですが「堪忍して…」と丁寧にお断りされました。しかし、話だけはしっかりと聞くことができて、その人は何と午前5時30分に並んだそうです。4、5分もすると数十人が並び、私が訪れたときには100人以上の長い列となっていました。「昨年は30番目でして、今年は何とか1番になりたくて…」と笑って答えてくれました。
 整理券をもらった人はオープンと同時に参加券を購入します。子供や女性が負けてなるかと購入する場所へと走っていきます。まるで西宮神社の福男のように全速力で走っている光景に「怪我をしないでね」と叫んでしまいました。なぜに走るのかというと、真っ先に参加券を購入しないといい時間帯に釣りができないからです。時間の指定ができないマス釣りは、購入した人から早い時間帯に釣りができるシステムになっているからです。のんびりしていたら午後の最終時間になってしまうので、誰もが走ってしまうのです。それと最初はスレていないから魚がよく釣れる、それを釣り人は知っているのです。だから走って参加券を購入するのです。涙ぐましい努力が必要なのですよ。
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 釣りの光景を目にしましたが、だれもが楽しそうに、大人の女性も少女のように目を輝かせながら釣りをする、その姿をみると釣りってやっぱりいいなあとあらためて思い知らされました。もっとたくさんの人がマス釣りを楽しめることができたらいいのに、これがこれからのフィッシングショーの課題でしょうか。
 とにかくどのイベントも人だかりで、有名人のトークショーに聞き入り、抽選会なども大盛況でした。そうそう「体験仕掛け&釣り方教室」もたくさんの人が、担当者からいろいろなことを学んだようで、あちらこちらで楽しい会話が広がっていました。
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「体験仕掛け&釣り方教室」


さてフィッシングショーの新製品、私が興味を持ったものを紹介しましょう。参考になれば幸いです。

●パナソニック
センサー機能付きクリップライト「光るんクリップ」
 昨年に登場した「センサー機能付き作業台「光るん台」は20臓13・7造虜邏搬罎硫にセンサー機能付きのライトをセットし、その作業台の中で仕掛けの交換、エサ付けができることで話題になりました。しかし実際にはこの作業台が邪魔だという声が多くあったようです。そこで今年の「光るんクリップ」はその作業台を取っ払い、クリップタイプとして登場しました。クーラーボックスやバッカンに取り付け可能で、取り付けたライトに手をかざせばライトが自動に点灯し、作業が終われば自動的に消灯という優れものです。光が消えたらライトがどこにあるのか分からないのではと思うかもしれませんが、使っていないときはマーカーが常に光っているのでライトの位置関係が分かります。雨にも強く、2段階の明るさ調整が可能、発光部は360度回転と実用性が高いのも大きな特徴です。
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●パナソニック
ワイドパワーLED防水ヘッドランプ(センサー付き)
 このライトの大きな特徴は本体に接触しなくてもスイッチのON、OFFが可能だということです。センサー機能を使った非接触式スイッチ採用により、手をライトに近づけることでON、OFFができるのです。エサや魚をつかんだ汚れた手で本体を触ることがないので清潔で、素早くスイッチのON、OFFが出来るのはありがたいですね。ただ、黒い手袋をした場合、センサーが察知しにくいケースや、あるいはどこまで手を寄せたらセンサーが察知するのか、といったトラブルがあるかもと関係者は心配していました。
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●パナソニック
乾電池式エアーポンプ(マーカー機能付き)
 このエアーポンプは関西のエビ撒き釣りには欠かせないアイテムです。エサクーラーにポンプをセットして、混雑した渡船などに置いているとほかのクーラーや道具などにスイッチ部分が接触し、知らないうちにスイッチがONからOFFになることがありました。OFFになるとポンプが作動しませんから、エサクーラーに入れてある生きエビが全滅ということが起こっていました。そのトラブルを防ぐためマーカー機能付きのポンプを登場させたのです。赤色のLEDが点灯するので、この赤色が付いていればポンプが作動している証拠です。周りが暗いときにもこの赤色LEDによって、どこにポンプがあるかということも分かります。
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●クレハ
シーガー船ハリス
 このラインは水に溶けるような透明感が売りで、耐磨耗性にも優れたクリスタルクリアの船専用フロロハリスです。もちろんハリスに求められる「強さ」「しなやかさ」にも優れ、極めて低い吸水性は長時間の水中使用でも高強度を維持するといいます。100担きで、号数は2号から14号までの11アイテムです。クレハのラインは質がいいから値段が高い、そのように巷ではいわれますが、この船ハリスは値段をかなり安く設定しているというからうれしいですね。オープン価格。
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●ハヤブサ
ライフジャケット・デザインアンケート
 20種類ほどのライフジャケットを見本展示していました。そのライフジャケットの中で「どれがお好みですか」と釣り人にアンケートを取っていました。そのアンケートを集計して、6種類ほどのライフジャケットを製作、販売しようという画期的な企画です。斬新なデザイン、実用性の高いものといろいろあって、選ぶのが大変なようでしたが、誰もが真面目にアンケートに答えていたのが印象的でした。新製品を売り込むのも大事だけど、釣り人の安全を守るライフジャケット、それを真正面から釣り人と共に取り組んでいこうという企業姿勢は立派ですね。昨年、大阪港で釣り人の転落死亡事故が発生しています。それによって大阪港立ち入り禁止問題も起こっている昨今、みなさんも安全のためにライフジャケットは必ず着用しましょうね。
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●ダイワ
バトルゲームハネスペシャル
 初のハネ釣り専用ロッドが登場しました。ハネとはスズキの幼魚のことで40属幣紂60駄にのサイズを関西でこのように呼びます。そのハネを仕留めるための先調子ロッドで、軽量ながらバランスが抜群によく操作性に優れたロッドです。もちろんハネだけでなくスズキがヒットしても問題なく浮かせるパワーも自慢です。実はこのハネ釣り専用ロッドは私の釣りの師匠である泉州ハネ釣研究会の今中毅会長がプロデュースしています。私もお手伝いした竿だけに実戦向けの竿に仕上がっています。
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2009.02.01 Sunday第34回 関西では定番!冬季のチヌ釣りに悪戦の2日間

近年、関西ではほぼフルシーズン楽しめる波止(防波堤)のチヌ(クロダイ)釣り。厳寒の1月中も大阪湾の各波止では40存緘召梁膩燭姿を見せ、場所によっては“年無し”と呼ばれる50詑罎眥爐譴討い泙后この時期は小型が釣れずにヒットすれば大型というのが大きな特徴です。
関西のチヌ釣り大会は春から秋口に開かれるのがセオリーで、冬季に行われることはまずありません。ところがその常識を打ち破るように今年1月18日に大阪府岸和田でチヌ釣り大会が開かれました。その釣り大会というのはマルキューの「大阪湾チヌ釣りフェア」です。昨シーズンに大阪湾の各渡船店の予選を勝ち抜いた代表28人(女性2人)が集まり、2008年のチャンピオンを決めるものです。
 私も取材のために当日の午前4時から参加させてもらいました。大会場所となった岸和田は大阪湾でもトップクラスのチヌ釣り場です。
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前回のこのコーナーでも書いたように岸和田は関西の落とし込み釣りの発祥の地で、ブームのオキアミのフカセ釣りもほかの地区よりもいち早く行われた実績場です。
 岸和田には地方に近い岸和田一文字、そして少し沖に広大な沖一文字があります。最近の釣れ具合や天気予報を考慮して大会場所は岸和田一文字に決まりました。ここは平均して満潮前と満潮からの下げ潮時がベストタイムといわれます。ちょうどこの日の潮は満潮が11時ごろです。釣り大会は11時ごろに終了ですので、10時ごろからが時合いと思われます。早朝よりも水温が上昇しているはずですから、きっとこの時間帯に名手がチヌを釣り上げてくれるはずです。
  その読みは的中しました。10時まではエサも取られない最悪の状態でしたが、少し潮が動き出した10時過ぎからエサが取られるようになりました。「いまにヒットするぞ」と思っていたら兵庫県尼崎・久保渡船さん代表の西川和博さん(奈良県香芝市)が待望の41・8造鬟ャッチしました。
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続けざまに2人にヒットしたのですが食いが渋かったようで残念ながらハリ外れとなりました。結局は西川さんだけがチヌの顔を見ただけという貧果になってしまいました。
 東寄りの風が吹いて潮が澄んだのが不調の原因ではと関係者は話します。ちょっとした水温の変動、潮の状況によって釣れ具合が変わってしまうようですね。冬季のチヌ釣りは微妙で難しい、それを実感しました。
 そして翌日は私がレギュラー出演しているサンテレビ・ビッグフィッシングのロケで和歌山紀ノ川に出かけました。狙いは河口のチヌです。冬季の河口部は水温が極端に低下しているのでチヌは釣れないといわれていました。魚類学者は水温が10度を割るとチヌは深場でじっとして口を使わないといいます。冬季の河口部は冷たい水が流れるので水温は確実に10度を割っているのにチヌが釣れるこの事実、何が要因しているのでしょうか。はっきりとした事は分かりませんが、某水産試験場の研究員は河口部にはエサが豊富にあるため、生きるためにチヌが低水温に順応したのではといいます。1月中に紀ノ川河口部では夏が旬のキスも釣れています。この時期に釣れるキスは“越冬ギス”と呼ばれ、低水温を避けて穏やかな深場にいるのが普通です。低水温の河口部にいるというのも、きっとエサを求めてのことでしょう。
 もうひとつ、いま釣れている大型チヌは低水温に強い放流物ではという声もあります。大阪湾、そして和歌山港も毎年のようにチヌの稚魚を放流しています。もう数十年放流していますから“年無し”といわれる超50造飽蕕辰討い襪里任后これらの放流物が河口で釣れているのではというのです。この説が当たっているかどうかは分かりませんが、言われてみると妙に納得してしまうのですが、皆さんはどう思います?
 紀ノ川河口のチヌ釣りロケは4年連続で行い、常に50汰宛紊梁臺が姿を見せて大成功です。前日は不調だったチヌ釣りですが今日は絶対に釣れるという自信はありました。というのも紀ノ川河口では前日に53造鯑に40存緘召4尾も釣れているからです。そしていつも協力してくれる友人の北山さん、植野さんが今回も同行してくれるからです。地元に住む彼らはポイントに精通しているばかりかチヌ釣りの技術も高く、常に期待に応えてくれたからです。
 今回ポイントに決めたのは河口部から4舛曚評緡にある北島橋上下流の右岸です。潮は小潮で満潮は11時12分です。河口部では平均して潮が高いときがベストタイムですので、午前10時ごろから正午までが狙い目です。午前7時過ぎから釣りをスタートしましたが一向にアタリが出ません。しかし、満潮前後にきっとアタリが出るとこの時点では余裕があります。
 ところがベストタイムに入っても全くアタリが出ません。いやエサ取りもない最悪の状態が刻々と過ぎていきます。このまま終了するわけにはいかず、北山さんらやカメラマンとの話し合いで夕方までの持久戦となってしまいました。その苦労が実って竿を出してから6時間半後に植野さんが待望の40促ーバーのチヌを釣り上げました。
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これならあと1、2尾は必ず釣れると全員が気合を入れ直して仕掛けを打ち返しますがそれからアタリはありません。4時半にご苦労さんと竿を納めたのですが、この日は釣りを楽しむというより過酷な釣り修行をやったような気持ちでした。
 よく皆さんに「森永さんの仕事は趣味と実益を兼ねていいですね」なんてことを言われますが、世の中そう甘くはないのですよ。釣りのビデオは10分前後に編集して放送するので入れ食いに見えますが、実際に釣りをした時間と比べると「辛抱と粘り」で苦労することが多いのですよ。今回もまさのその通りで10時間半も粘って友人が1尾、私と北山さんはアタリすらなかったのですから…。
 「冬季のチヌ釣りは嫌いだ」なんていいたいところですが、私はもう次回のリベンジをもくろんでいます。紀ノ川河口の実力を皆さんにしっかりとお知らせしたいからです。足場がよく手軽に出かけられる紀ノ川河口のチヌ釣り、近いうちに出かけて憧れの50詑罎鮗蠅砲靴燭い隼廚辰討い泙后B臺をゲットしたらまた報告させてもらいます。
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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