• HOME
  • 森永誠の釣り日和
森永誠の釣り日和

2008.04.16 Wednesday第22回 岸和田のハネ大会に312人が大集合

 すっかりと春めいてきた大阪湾。各地でいろいろな魚が釣れ出して釣りシーズン到来のようです。特にハネとチヌは絶好調で各地からうれしい便りが届き、桜も満開ということでお花見を兼ねての釣りを楽しむ人もいるようです。こういった風情のある釣りもいいですよね。私も近いうちにやってみようと思っています。

 4月6日午前2時過ぎ、大阪府岸和田の山田渡船乗り場横の駐車スペースは車、車、車で右往左往する人で溢れています。いったい何事と思うほど釣り人が押しかけ、ワイワイガヤガヤとにぎやかです。今日は待ちにまった恒例の「岸和田ハネ釣りオープン大会」が開催されるのです。主催は岸和田をホームグラウンドに活動している泉州ハネ釣研究会で、同会の今中会長は私の釣りの師匠でもあります。今回で14回目を迎えるオープン大会は同窓会の雰囲気で、毎年この日を楽しみに他県からたくさんの釣り人が訪れます。「お久しぶり」「生きていたか」「結婚しました!」「孫ができてなあ」といった近況を語り合い、釣り大会はおまけといった感じもします。



 毎回200〜300人が集まるこの大会は参加費無料ですが、全員が賞品をもらえるというのが売りです。参加費無料だから賞品はたいしたことはない、なんて思われそうですが高級竿からリール、クーラーといった釣り道具からレンジ、空気清浄器といった電気用品から自転車、アウトドアグッズ、泉州名物の水ナス、高級ホテルのペアご招待券など豪華賞品でいっぱいです。クラブや会長の持ち出しでは限界があります。このような豪華賞品は各釣りメーカーや釣り団体、釣具店、そして個人からのご厚意によるもので、今回は62のメーカーや個人が快く協賛してくれました。昨年に続き今回もタックルベリーさんは快く協賛してくれました。本当にありがとうございます。同会の名誉会員としてはうれしい限りで今中会長、会員に代わって心からお礼申し上げます。

 5時発の一番船は定員いっぱいの釣り人で活気に満ちています。表彰はハネの部、他魚の部のほかにレディースの部、ジュニアの部があります。たくさんの人に釣りを楽しんでほしいという願いから、いろいろな部門を設けているのです。





 まだ薄暗い中参加者達は思い思いのポイントに入っていきます。私は師匠らと沖一文字の北端に釣り座を構えました。子どもや女性も並んだのでテレビのカメラも同行します。テレビとは私がレギュラー出演しているサンテレビの「ビッグフィッシング」です。テレビの協力スタッフであるチヌのかかり釣りの名手である南出正太郎さんも並んで竿を出します。釣り大会の独特な緊張感はなく、誰もがのんびりと釣りを楽しむといった感じです。昨年の大会ではハネ不発の南出さん、今回は絶対に1尾釣ってもらいたいと私と師匠の間に入ってもらいました。私と師匠は南出さんのポイントに生きエビを底撒きして、仕掛けを流す位置もアドバイスします。

7.jpg 今日はポカポカ陽気でまさに春本番。風もない絶好の釣り日和となりました。釣りスタート直後に会員の右手さんが竿を大きく曲げました。すかさずカメラが近寄ります。そこはベテランの右手さん、しっかりとあしらいながらタモに導いたのは50詑罎離魯佑任靴拭ハネとは関西での呼び名で40属幣紂60駄にをいいます。60属幣紊魯好坤で、大会で上位に食い込もうと思うなら70造呂曚靴い箸海蹐任后

 この1尾を合図にあちらこちらで竿が曲がり、一気に盛り上がってきました。昨年ジュニアの部で優勝した大阪府柏原市の鶴留亮太君(小学3年生)、今年も快調に竿を曲げています。ひときわ大きな54造鮖杜韻瓩董∈Gも上位入賞は間違いないところです。一方、こちらもいい調子で南出さん、今中会長、もちろん私もハネの姿を見たので、表彰式の準備のため早々に竿を納めて引き上げました。

8.jpg 審査場は魚を手にした参加者で大にぎわいです。大物が審査台に乗るたびに大きな歓声が上がり、ハラハラドキドキの人もいます。11時過ぎから待ちに待った表彰式です。各部門の優勝者、準優勝者、第3位が発表されるたびに拍手とため息が交錯し、主催者側としてはいい雰囲気です。ハネの部は予想通りに70詑罎優勝で、ジュニアの部は2年連続で鶴留亮太君が栄冠を手にしました。「2年連続で優勝なんて信じられない。めっちゃうれしい」と喜びいっぱいの亮太君。お父さんの昌博さんは「いい春休みになりました」とニコニコ顔です。入賞外、ボーズの人を対象にした抽選会は熱気ムンムンで豪華賞品を手にしてみなさんご機嫌です。



 「大会が終わるたびにもうこの大会を止めよう、止めようと思うけど、大会時のみなさんの顔を見ると来年もやろうとなってしまいます。来年もやります」と決意を述べる今中会長に参加者から盛大な拍手が起こりました。「会長、来年もたのんまっせ」に親指と人差し指でOKマークを見せる今中会長、大きな仕事を成し遂げた安堵感と充実感が漂っていました。
 今年も事故もなく無事に“同窓会”大会は終了し、子どもたちにはきっと思いで深い春休みになったことでしょう。また、来年お会いしましょう。なお今回は前回を上回る312人が参加してくれました。


●●●今週の一押し●●●

007.jpg 兵庫県武庫川尻一文字でハネが順調に釣れ出しました。サイズは50詑罎中心ですが、日によっては70詑罎離好坤も姿を見せています。日に日に数釣れるようになり、1人で3〜5尾キープしています。

 釣り方は関西では定番の生きエビを使ったエビ撒き釣りです。ポイントに生きエビを撒いてハネの活性を高めるのですが、いまのシーズンは低水温でハネが底中心に多いため底撒き器で深いタナを攻めるのが基本になります。

 一文字の内向き、外向きともハネは釣れますが、いまは外向きが食いはいいようです。それも波止の際スレスレを流すことがヒットにつながります。平均して早朝にハネが釣れることから、オールドファンは“朝バネ”釣りと呼んで楽しんでいます。

 エビ撒き釣りの魅力はいろいろな魚が釣れることです。ハネを狙っていてチヌ、アイナメ、メバルなどが竿を絞り込んでくれます。武庫川尻一文字のエビ撒き釣り、これからがベストシーズンに入ります。

◆問い合わせ 斎藤釣渡船 筍娃供Γ僑苅隠供Γ苅隠沓権
なお、同店では27日にハネ釣り講習会を行います。ハネ釣りに興味のある方は同店まで。

2008.04.01 Tuesday第21回 大阪湾からカレイが消える日!

 地球温暖化に伴う水温上昇は各地でいろいろな波紋を起こしています。日本海ではあまり馴染みのなかったサゴシ、サワラが異常なほど漁獲され、マグロにしても日本海での漁獲は当たり前で、いまでは対馬や能登半島沖で産卵しているのではともいわれています。釣りにおいても十数年前の日本海ではイサギは稀に釣れる程度でしたが、もう定番のターゲットになっています。大阪湾にしても南方系の魚が姿を見せるのは珍しくなく、イトヒキアジがエビ撒き釣りに掛かり、イシダイと呼べるサイズが兵庫・西宮周辺で確認されています。そして昨年末には南方系の好敵手ギンガメアジの 60袖蕕兵庫県下でヒットしたという情報も入っています。そうそう、マグロも大阪湾内に居着き数十舛梁臺がジャンプして釣り人を驚かせています。

 気象庁によると「日本近海の海水温は世界の3倍以上で、年平均の海面水温は過去100年で0・7〜1・6度の上昇」といいます。これは19世紀末から観測船や一般商船などが測定した約2000万件の海面水温(水深1〜2)のデータに基づき、周辺海域を13区分してまとめたそうです。それによると日本海中部が一番水温は高く1・6度、紀伊半島から四国沖は1〜1・3度の上昇といいます。海水温1・6度、気温の感覚ならわずかな上昇ですが、海の中ではとんでもない状況で、環境や魚の生態に大きな影響を与えてしまうのです。

 高水温の話題になると南方系の魚が話題を集めてしまいますが、北方系の魚にも大きな変化が現れているのです。その一番手がカレイです。投げ釣りのベストターゲットであるカレイは冬季から春先が旬です。実はこのカレイが関西で大激減しているというのです。カレイはもともと北方系の魚ですから、高水温が大の苦手です。関西では年末から1月中旬にかけて産卵が行われるのですが、産卵は低水温で推移しているときが順調にまとまって行われるそうです。水温が下がらないと産卵が不規則になるばかりか、ほかの魚の活性が強くなって、カレイが産卵してもほかの魚に卵を食べ尽くされてしまうのです。低水温時はほかの魚は低活性となり行動範囲が狭く卵を食べられる割合がグンと落ちるのです。また、夏季の高水温は卵からふ化した稚魚の成育にも大きな影響を及ぼすのです。



003.jpg


005.jpg この話を聞いたときにハッと思いました。そういえば最近カレイが釣れなくなったなあと…。毎年のようにクリスマスのころに大阪湾のカレイはベストシーズンに突入します。このころのカレイは産卵のために接岸してくるのでチョイ投げで数も型も期待できるのです。2ケタ釣りなんて珍しくなく、過去には1人で30 尾以上釣ることもあったのです。ところがここ数年は2ケタなんて夢のまた夢です。春、桜のころに釣れるカレイを“花見ガレイ”と呼び、肉厚のプリプリが釣れるのですが、これにしても最近は極端に釣れなくなっています。

006.jpg
 釣り人だけでなく私の知り合いの漁師さんもカレイが網に入らなくなったとなげき、大阪府環境農林水産総合研究所栽培漁業センターの話でも、カレイ激減は大阪湾だけでなく九州地区も高水温の影響でダウンしているといいます。いまの状況で高水温が推移すると大阪湾からカレイが消えることが考えられます。地球温暖化防止に私達も真剣に考える時期が来たようです。それとカレイの放流事業に期待したいと思います。

karei04.jpg 同栽培漁業センターでは平成19年10月5日にかつて大阪湾にも生息していたというホシガレイの稚魚(約10臓砲鬘横娃娃鞍放流しました。このホシガレイは成長がすこぶる早く定着性も高く、おまけに高級魚ということで各方面から注目されています。放流した稚魚は同センターで人工授精させて、そして得た卵から育てた初のホシガレイです。同センターの話では6月には30袖蕕砲楼蕕弔箸いい泙垢ら、いまから楽しみです。


ホ シ ガ レ イ 稚 魚

 この放流が定着して大阪湾が“カレイの海”になることを大いに期待したいものです。そのためにも地球温暖化防止、私達も何ができるか考えて、積極的にトライしたいものです。大好きな魚と釣りをずっと楽しむために…。

karei01.jpgkarei02.jpgkarei03.jpg

「大阪府環境農林水産総合研究所・水産技術センター」提供


●●●今週の一押し●●●

007.jpg大阪湾の乗合船はいまメバル一色です。イカナゴの新子に誘われるかのようにメバルは一気に本格化し、最大30詑罎姿を見せて大にぎわいしています。
 大阪北港のヤザワ渡船さんも淡路沖でメバルを狙っています。今季は数も型もいい調子で、慣れた人は20〜27造20尾以上、ほかにガシラ(カサゴ) 15〜22造15尾ほど釣っています。軟調の竿を使った胴突き3本バリ仕掛けがよくオモリ30号、エサはシラサエビを使います。
 数釣るコツはアタリがあっても一気に巻き上げず、そのままの状態で待って追い食いさせます。あとはゆっくりと仕掛けを巻き取ればいいのです。メバルは口切れすることが多いので、一気の巻き上げは避けてほしいものです。これからもメバルは有望で5月上旬までは楽しめます。

◆問い合わせ ヤザワ渡船 筍娃供Γ僑毅沓魁Γ沓沓隠旺
1 /1
森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

カテゴリ