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森永誠の釣り日和

2008.01.16 Wednesday第16回 釣りは障害者も楽しめる最高の遊び

 釣りは年齢を問わず誰もが楽しむことができる最高の遊びです。もちろん男女はもとより、健常者だけでなく障害者も参加できるのです。あまり知られていませんが聾者(ろうしゃ)の釣りクラブもあって、月例会も行われています。私の知り合いである大阪府八尾市在住の小倉一郎さんも聾者で、もう20年も八尾釣り愛好会の代表を務め、積極的に仲間達と釣りを通じて自然を謳歌しています。




八尾釣り愛好会のメンバー。小倉さん(写真右)らは
耳や言葉が不自由だが釣りを愛し、自然を愛しいつも前向き

手話ができる清水さんに感謝。
私と小倉さんの間に入って言葉のバトンを渡してくれた


 聾者は耳と言葉が不自由ですが、見た目は健常者と全く変わりません。これが大きなトラブルにつながることが実に多いのです。聞いた話ではある人がアユ釣りにでかけたとき、釣りに夢中になって知らない間にかなり場所を移動していたそうです。そのときに健常者が「おい、そこの場所に入るな」と大きな声を発していたそうですが、当然のように彼にはそれが聞こえません。「おい、知らん顔かい!」と健常者は近づき暴力にまで発展したそうです。彼が耳と口が不自由なことをジェスチャーで示すとやっと納得してくれて、暴力を振るったことを謝ったそうです。
 
 ほかにも言葉が通じないことからのトラブルは多いようで、それを解消するいい方法がないかと模索している状態だそうです。実は2年前から私は聴覚障害児の釣り大会を応援しています。そのときにNPO法人「医療・環境サポート協会」の五島理事長と話し合い、聴覚障児に釣り大会だけでなく、社会生活においても小さな色付き(カラーは未定)リボンを付けてもらえないだろうかと提言しています。そのリボンを付けた子どもが聴覚障児だと分かることで、いろいろな人がちょっとしたお手伝いが出来るのではないかと考えたからです。このことを小倉さんに伝えると大賛成で、力添えをしてくれると約束してくれました。いつかそれが実現できて全国展開できるように今後も努力していくつもりです。

 リボンについては「うちの子供が障児だと示すようなもの」と話す保護者もいます。その気持ちはよく分かります。ただ、いまは障害があることを恥じる時代ではありません。たくさんの人がお互いを理解して助け合って生きる時代だと私は思っています。この考え方が広く浸透することを願っています。


小倉さんカレイを釣り上げてハイポーズ。
食い渋る中、集中力がモノをいった1尾だ

小倉さんがタモ入れして仕留めたハネ。すくってもらった
夫婦は大感謝。言葉は通じなくても心は通じていた



 ところで聾者の釣りクラブはどのくらいあるのかと聞いたところ、大阪府下では5クラブあるそうで、全盲の仲間もいるそうです。船釣りをする人は少ないようで投げ釣り、波止釣りを楽しむ人が多く、小倉さんのようにアユ釣り、アマゴ釣りといった渓流釣りにもトライする人がいるそうです。聴覚障害児の釣り大会でも感じたのですが、彼らの集中力は健常者をはるかに超えていて、トップ釣り師になれる能力を秘めています。食い渋る中全員がカレイを仕留めていて“やっぱり”という感じでした。

 この日は小倉さんらにお会いできた上に清水さんのやさしさと人柄にも触れることができて、釣り人っていいなあと再認識しました。清水さん本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。ちなみに聾者という言葉、あまり聞き慣れない言葉だと思います。私もそうですから。以前は聾唖者といっていたのですが、聾唖の唖は「言葉がしゃべれない」という意味だそうです。ところが最近は口語法、高性能の補聴器、早期訓練などによってある程度はしゃべれるようになっています。手話も「しゃべれる」、意思の疎通がはかれるということで「聾唖」から唖を取り「聾」、すなわち“聾者”という言い方が一般的になったそうです。
実はこれも清水さんからのメールで分かりました。自分の勉強不足を思い知らされました。


●今週の一押し●

 徳島県堂浦のヤカタで人気のサヨリが数釣れています。ヤカタとは屋根付きイカダのことで、ここには風防止ネット、トイレも設置しているので家族そろって上がることができます。ウチノウミの内湾にあるため波は穏やかで、冬季でも安心して釣りが楽しめます。
 サヨリは22〜35造鳩燭召蹐い如慣れた人は何と200尾ほど釣っています。釣り方は単純なウキ釣り仕掛けで、ウキ下は矢引きから1ヒロと浅いので誰にでもアタリをキャッチできます。マキエはヌカをベースにアミエビを混ぜたものがよく、サシエはアミ刺しを使います。和狙いはマキエの中心に分がありますが、大型はマキエの周りを狙うのがセオリーです。また、ウキ下をやや深くすると大型の確率がアップします。
 サヨリを釣りながら捨て竿をするとカレイ、アイナメも期待できます。このときのエサはマムシ(ホンムシ)、アオイソメを使います。
◆問い合わせ 斎藤渡船(筍娃牽検Γ僑牽検Γ娃苅毅魁泡
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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