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森永誠の釣り日和

2007.12.28 Friday第15回 恒例プロ野球選手とのロケは大熱戦?

 北京オリンピックへのたった1枚の切符を争った北京五輪野球アジア予選、いや興奮しました。韓国戦、台湾戦とも手に汗を握る展開が多く、野球ファンである私はテレビから離れることができませんでした。切符を手にしてから1カ月弱ですが、あの熱戦はつい数日前のような気がします。

 ところでプロ野球選手は釣り好きが多いのをご存知でしょうか。オフになると釣りに出かける選手が多く、私自身もレギュラー番組の「ビッグフィッシング」で毎年プロ野球選手と釣りのロケに出かけます。今年も12月21日にオリックスの北川博敏選手、阪神タイガースの高橋光信選手、中日ドラゴンズの古久保健二2軍コーチ、そして番組のキャスターであるオール阪神さんらと大阪府谷川の海上釣り堀「オーパ」(筍娃沓横粥Γ坑后Γ隠隠隠院砲暴个けました。
 高橋選手は今回が初参加ですが、北川さんと古久保さんは4年連続で一緒に竿を出しています。いままでは船釣り中心のロケでしたので、海上釣り堀は初のチャレンジとなります。
釣り堀ファンの私と阪神さん、3人にぜひ大物のパワーを味わってほしいと願い今回の企画を練りました。



  オーパは一般の釣りイケスと大物のイケスがあります。もちろん大物を選定して一般の人より約1時間遅れのスタートとなりました。最初は「イケスの中の魚を釣る」という感覚が強かったようで、いまひとつ盛り上がらなかった3人ですが、いざ釣りを始めるとマダイ、シマアジの引きに大興奮です。特にシマアジの鋭角的な引きに「すごい、すごい」を連発する北川選手、すぐに釣り堀のトリコになったようです。
 慣れている阪神さんはコンスタントに釣り上げ、周りから「さすが」の声が飛びます。「そろそろ青物を釣りましょうか」と阪神さん。狙いはメジロ、ブリ、カンパチですが、イケスの中にはクエも入っているので、うまくいけば…。まず竿を曲げたのは予想通りに阪神さんでした。これは70袖薀ンパチで、太仕掛けにモノをいわせて一気に浮かせます。と同時に係員がタモを入れてくれて「ハイ一丁上がり」です。
 この光景を見た3人、そこは勝負師です。「よっしゃ」と小アジを付けて泳がせます。初参加の高橋選手はシマアジ、マダイも好調でしたが、すぐにメジロをゲットしてガッツポーズ。次も高橋選手にヒットして、今度はカンパチのようです。ドラグがジージーと悲鳴を上げ、なかなか寄ってきません。その光景に「早く上げてや、待っているんや」と突っ込みをいれる北川選手。即席の釣り堀漫才が始まっていました。やっとの思いでカンパチを取り込んだ高橋選手。「腕がぱんぱん、いや疲れました」と笑顔で話し休息を宣言します。
 遅れを取っていた古久保さんも徐々にエンジンが掛かってきたようでカンパチ、ブリを釣り上げて「どうや」と胸を張っています。もちろん北川選手もいい調子でカンパチ、ブリを仕留めて「大物釣り面白い」と絶叫しています。無風で暖かくて最高の釣り日和で、オーパの関係者はニコニコ顔でした。
 ラストを飾ったのはやはり阪神さんでした。何とガツンの衝撃でクエをゆっくりと浮かせました。「うわ、クエや」「さすがは阪神さん」と絶賛の嵐です。死んだイワシを底まで落としてゆっくりと誘った途端にガツンと当たってきたようです。いつも思うのですが、阪神さんの取り込みはスムーズで、時間をさほどかけません。きっと大物にしても訳が分からないうちに浮かされてしまっているんでしょうね。




 「2時間ほどでロケを終えましょう」とディレクターはいっていたのですが、誰も止めようとはいわずにいつしか正午を回っていました。釣果は写真をご覧ください。持ち帰れないほど釣れて、大満足のロケとなりました。私は写真撮影と皆さんのお手伝いを兼ねながら竿を出し、シマアジ5連発を含み、マダイもけっこう釣らせていただきました。これもいつものことですが私の釣りスタイルに「お客さん、お客さん、高いシマアジを入れ食いさせてもらうと商売上がったりですわ」と阪神さんの名トークに、周りだけでなくオーパの社長も大笑いでした。
 この模様はサンテレビ・1月10日(木)のビッグフィッシング(午後10時)で放映の予定です。ご覧ください。北川選手、古久保コーチの人の良さは分かっていますが、高橋選手もとても気さくな人で話しやすく、その釣り好きには好感が持てました。平成20年の活躍を祈っています。そして来年も釣りに行きましょう。


●今週の一押し●

 兵庫県武庫川尻一文字の半夜釣りでアナゴが絶好調です。サイズは25造ら40造如⇒爾泙困瓩裡押■鎧間で30尾、40尾釣る人が後を絶ちません。
 アナゴ釣りというと投げ釣り、ブッ込み釣りが主流となりますが、ここではイカダ竿を使ったズボ釣りで狙います。単純な1本ばり仕掛けで、エサはキビナゴがよく、頭と尻尾の硬い部分を取り除き、胴体の部分を約三等分してハリに刺します。
 釣り方はエサを足元の底までゆっくりと落とし込み、底に着いたらゆっくりと上に誘います。これを繰り返してハリに乗せます。アタリがあったら素早く上げることが大事で、モタモタしているとアナゴが仕掛けに巻きついてしまい、仕掛けがグチャグチャになるので注意しましょう。
 アナゴはテンプラにすると最高に美味しく、それをお目当ての釣り人が多くなってきました。これからがアナゴのベストシーズンです。防寒対策をしっかりして出かけましょう。

◆問い合わせ 斎藤釣渡船(筍娃供Γ僑苅隠供Γ苅隠沓検泡

2007.12.16 Sunday第14回 テロ防止の国際条約で釣り場が消える?

 ここ数年の間に大きな漁港や護岸が立入禁止になっているのをご存知でしょうか。久しぶりに出掛けようものなら漁港や護岸には大きな柵が設けられ、場所によっては警備員が配置される厳重な監視体制にいったい何事かと驚いてしまいます。ご多聞に漏れず大阪湾もその流れで、車横付けできたファミリー釣り場が各地でシャットアウトされています。

 この物々しい出来事は「改正SOLAS(ソーラス)条約」によってもたらされたものです。もともとのソーラス条約というのは、1927年に北大西洋上で起きたタイタニック号沈没事故を契機に定められた「海上における人命の安全のための国際条約」でしたが、2001年に起きた忘れることができない米同時多発テロによって改正されたのです。
 改正されたソーラス条約は国際テロ防止を目的としているため、船舶や港湾施設の整備、安全体制などの強化義務が盛り込まれています。その中でも「国際航路を航行する500徹幣紊硫瀛船、旅客船に供する岸壁などの保全強化が義務」が織り込まれているのが大きな特徴です。つまり、法律によってこれらの場所には関係者以外は立入禁止となり、海側からも岸壁への接近が制限されることになったのです。ということで私達が楽しんでいた“釣り場”が消えてしまったのです。

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 従来の漁港や護岸への立入禁止は釣り人の出すゴミや心無い人の不法投棄、あるいは暴走行為などが大きな原因でした。ところが今回はテロ防止の国際条約による保全対策強化という“別次元”の話ですので、泣く泣く承知するしかないのです。
 ただ、よく考えてみると島国ニッポン、一部の漁港や護岸を立入禁止にしてもどこからでも上陸できるので、テロ防止といってもピンと来ません。この国際条約を受け入れる意味があるのだろうかと思ってしまいます。しかしよくよく聞いて見ますと「なるほどなあ」と納得してしまいました。
 この国際条約の安全基準に満たないニッポンの港から出航した場合、テロの可能性があるということで、相手国に入港するとき臨検を受ける、あるいは入港を拒否される可能性があるというのです。こうなると大変ですので、国内で国際条約に見合った保全対策を講じる必要があるのです。
 当然のように釣り人が“強行突破”でもしようなら、逮捕されてしまいます。逮捕までやらないでしょうとタカをくくっていたら大変で、平成16年8月には東京で立入禁止地区に入った釣り人が当局に連行され、調書を取られるという事件が起こっています。大阪ではこんな事件は起こっていませんが、昨年は大阪市内の立入禁止地区のフェンスが10カ所以上も破られたことが新聞で大きく報道されました。それもその新聞の見出しが「釣り人の仕業」という表現になっていて、愕然としてしまいました。悲しいですね。


 ただし“ある場所”では行政との話し合いで船舶が停泊しないときは釣りができるそうです。それは釣り人が“海の見張り番”的な役割を果たしてくれるからといいます。釣り人はニッポンの海を1年中、それも24時間フルに誰かがどこかでずっと海に向かって釣りをしています。すなわち釣りをすることがテロはもちろん、密輸、密入国の防波堤になっているのです。もっともっとこの役割を行政にアピールして“ある場所”のように大手を振って釣りができるようになればいいなと思っています。

●今週の一押し●

 12 月の大阪湾の各防波堤、高水温の影響でチヌが好調に釣れています。人気の落とし込み釣り、流行のオキアミのフカセ釣り、どちらでも楽しめますが、大型狙いはフカセ釣りに分があります。そのフカセ釣りで“年無し”と呼ばれる50促ーバーが期待できる釣り場が大阪府泉佐野一文字です。
 この釣り場は海面からさほど高くないので、初心者も安心して竿を出すことができます。狙うポイントは防波堤の基礎石のかけ上がりで、ウキ下を底スレスレに設定して流し込んでいきます。アジ狙いのサビキ釣りにも“年無し”がヒットするほど魚影が濃く、慣れた人は4、5尾ゲットします。
釣れるのは40存緘召多く、パワフルな引きが体感できます。いまのようすなら年内はもちろん、年明けも大型チヌが期待できそうです。

◆問い合わせ 菊川渡船筍娃沓押Γ苅僑押Γ牽坑苅機◆

2007.12.01 Saturday第13回 初の釣りに大興奮モンゴルの子ども達

 日本の国技といわれる相撲ですが、いまはモンゴル出身力士の独断場です。何といっても相撲の顔というべき両横綱はモンゴル人ですからね。ちょっと前までは横綱・朝青龍のズル休みが話題となり、どこのチャンネルをひねっても朝青龍のふてくされ顔がブラウン管に映し出され、相撲大好きな私も少々嫌になっていました。そんな状況下に「モンゴルの子どもとの釣りを手伝って…」とNPO法人「医療・環境サポート協会」の五島末広事務局長から電話が掛かってきました。
 「えっ、モンゴルの子どもと…」とびっくりの私です。子ども相手の釣り教室やボランティアは随分やってきましたが、モンゴルの子どもと釣りをするのは初めて、いや日本でも初のケースではないでしょうか。五島さんによると兵庫県加古川市にある「つり具山陽」の薄雲社長からの協力要請で、来日する子どもはモンゴルでいろいろな事情によって親に捨てられた子ども達だといいます。
 その身寄りのない子ども達を東京都江東区にある「日本創造教育研究所」(田舞徳太郎代表取締役)が現地に「大地の家」を建設してお世話しているようで、その中の3人が社会勉強として訪日するのです。聞くところではモンゴルには海はなく、川や湖にしてもロシア側にわずかあるくらいで、ほとんどのモンゴル人は海を見たことがないといいます。海に触れるなら「釣りをしよう」となり、私に声が掛かったのです。

 さてどこで釣りをしてもらおうかと大いに悩んだのですが、足場がよくて確実に釣れるということで、いまブームの海上釣り堀が最適です。子ども達は関西国際空港経由で訪れるので、直に行ける場所ということで淡路島の南端にある「じゃのひれフィッシングパーク」に決定しました。ここは関西でも有名な海上釣り堀で、代表者の山形さんに事情を話すと「ぜひうちで釣りをしてください」と快く引き受けてくれました。今回の釣りに関してはすべてボランティアで、皆さんのやさしい気持ちが本当にうれしく、山形さんの配慮にも感謝の気持ちでいっぱいです。
 初めて海岸に近づく3人の子供たち、小魚が目に入ったようで大はしゃぎです。言葉は分かりませんが、そのようすから「魚がいる魚がいる」とでもいっているのでしょうか。ニヤムラフグワ・チュルンバートル君(11歳)は車中で「魚を10尾釣りたい」、アリウンジャルガル・アムガランさん(15歳)とオユンチメグ・スミヤさん(16歳)は「魚の引きを味わいたい」と女性らしく話していたそうです。
 同研究所の田舞さんも子どもと釣りを楽しみたいと参加します。「子どもは30分間ほどで飽きるのではないかな」と田舞さんは話していましたが、そんな心配は不要で予定の2時間を過ぎても止める雰囲気はありません。3人とも心底から釣りを楽しみ、いつしか自分でエサを付けてマダイ、シマアジを釣りまくっていました。最後には子ども達同士でタモ入れという予想外の行動に田舞さんも驚きを隠せません。「私も釣りの楽しさを味わいましたが、子ども達にはきっと忘れることのできない1日になったと思います。滞在中にもう1回釣りをしたいというんじゃないかな」と田舞さんは笑いながら話していました。



 子ども達だけでなく同行の通訳や先生も釣りに熱中して、いつまでも笑いが絶えませんでした。釣りって国籍や年齢、性別を問わず誰もが楽しめる“最高の遊び”なんだとあらためて痛感した1日となりました。
 ちなみにつり具山陽さんが8本の竿を提供してくれたのですが、釣りが終わってから点検すると予定通り?に半分以上の穂先がポキリ。前もって釣り方を説明したのですが、これは誰もが熱くなってリールを巻き過ぎたという証明でしょう。「皆さんのお陰でいい1日となりました。折れた竿は記念に置いておこうかな」と笑う薄雲さんの笑顔が印象的でした。そうそうチユルンバートル君は軽く2ケタを突破していました。おめでとう。

●今週の一押し●

 全天候型釣り場として有名な徳島県堂浦のイカダとカセから人気のカレイが釣れ出しました。この時期に釣れるカレイは産卵のために浅場に寄ってくるので釣りやすく、肉厚のいいサイズが多いので重量感のある強い引きが味わえます。
 今季は高水温で釣期が半月ほど遅れましたが、接岸と同時に数釣りが楽しめ、30促ーバーを含めて5、6尾釣る人が多くなってきました。いまのところはカセよりもイカダ(地元では屋根があるのでヤカタと呼ぶ)がコンスタントで、足元付近とちょい投げして置き竿にしてアタリを待ちます。時々竿を手にして少しだけ引いて誘いを掛けるのがコツです。エサはマムシを中心にアオイソメを使います。まだ水温が高いためカレイのほかに良型のキスもよくまじります。
 カレイは水温が低下するこれからがベストシーズンで数、型とも期待できます。

◆問い合わせ 斎藤渡船筍娃牽検Γ僑牽検Γ娃苅毅晦
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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