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森永誠の釣り日和

2007.10.16 Tuesday第10回 清楚”なイメージのサヨリは“腹黒い?

 防波堤やイカダから手軽に狙えるサヨリは北海道南部以南(琉球、小笠原を除く)に生息します。早春のイメージが強いのですが、場所によっては秋口がベストシーズンで、1年のうちで最も数が狙えます。サヨリは“清楚な乙女”を連想させる魚だといわれます。銀の矢ともいわれる細長い体と、長くのびた下あごの先端が、まるで赤いルージュを引いたように見えるから、そのようにいわれるのです。

 清楚な乙女のイメージから「君はまるでサヨリのような人だね」と話しかけたら、「なんて失礼な人なの」とプイと横を向かれ、それから二度と口を聞いてくれない、なんてことが考えられます。実はサヨリという魚は姿や形はいいけれども、お腹を裂いてみると、腹腔(ふくこう)の内部を覆っている腹腔膜が真っ黒なのです。すなわち「見た目はいいけれども腹黒い」ということで、悪い例えに使われることがあるのです。




 サヨリは「針魚」「細魚」と書かれますが、数多く集まるということから「沢寄り」がなまって「サヨリ」になったといわれます。関東では大きなものを「カンヌキ」と呼びます。これは戸締りに使うカンヌキの棒と太さが似ているからで、ほかにはクチナガ、ホソクチウオといった地方名もあります。

 「サヨリの家は真水か塩か」と北原白秋が詠んだように、河口部にもよく回遊してくるので、家族や仲間で狙うには最高のターゲットです。サヨリは釣り人だけでなくメジロ(関東ではワラサ)やスズキといった大型魚にも狙われます。そのためにサヨリは身を守るために「ジャンプ」するのです。釣り上げたサヨリを注意して見てください。サヨリの尾ビレは下がやや大きくなっています。ここで水面を強く叩いてジャンプするのです。弱い魚が生き抜くための“武器”なんですよね。

 さて、サヨリの釣り方ですが、近年は飛ばしウキ仕掛けの釣りが主流になっています。が、私はこの釣り方を好みません。単純なウキ釣り仕掛けで釣るのが大好きです。単純なウキ釣り仕掛けは手返しもいいので、結局は数釣りにつながるとそう思っています。

 単純なウキ釣り仕掛けは渓流竿を使うのでリールは不要です。ウキ下は矢引き(約半ヒロ)と浅く、サヨリがエサを食べる瞬間を見ることができて楽しいですよ。視覚や嗅覚が優れているサヨリはマキエに敏感に反応します。従ってマキエを切らさないように撒き続けると長く居着くので、多人数でマキエを撒くのがベストというわけです。
 サヨリの群れが集まり、次々に釣れだすと早く仕掛けを振り込みたくなるのが人情です。そうなるとついエサのサシアミを無造作にハリに刺してしまいます。実はサヨリはとても目のいい魚で、エサの良し悪しを見極めているといわれます。形のいいサシアミを選び、ハリにしっかりと刺すことが釣果につながるのです。

 昔は大衆魚のイメージだったサヨリですが、いまは高級魚で新鮮なものは糸造りが最高です。糸造りにするならやはり30属幣紊呂曚靴い箸海蹐任后このサイズを狙って釣る方法があるので紹介しましょう。マキエの中心に小型サヨリが群がり、大型は警戒心が強いため群れの周りで、おこぼれのマキエを拾うのです。そこで仕掛けは群れの外側に静かに入れる、あるいはタナをやや深くするとパワフルな引きで大型サヨリが掛かってきます。一度試してください。
 今秋は家族や気の合った仲間達とサヨリ釣りにトライしましょう。




●今週の一押し●

 今季の大阪湾は高水温の恩恵でチヌ(クロダイ)が好調に釣れています。特に兵庫県武庫川尻一文字では日中に良型が数釣れてにぎわっています。平均サイズは35〜43造粘靴譴真佑錬掘■姑キープしています。

 釣り方は落とし込み釣りで、午後から夕マズメがベストタイムです。日によっては日中の3時間足らずで2ケタ近い釣果を上げる人もいます。チヌの食いは活発で海面から1丹米發妊劵奪箸靴討い泙后いまなら誰にでもチヌアタリをキャッチできるので、入門するには最高のシーズンです。エサはフジツボと白貝がいいようです。

 これから“落ち”のシーズンに入り、さらにチヌの食いは活発になります。50促ーバーの年無しもこれからおもしろくなってきます。楽しみです。

◆問い合わせ 斎藤釣渡船(筍娃供Γ僑苅隠供Γ苅隠沓検泡

2007.10.01 Monday第9回 旬の魚いっぱいの青空市場で味も満喫

 私を含めてそうですが、釣り人っておかしなクセというか、不思議な動きをするものです。例えば防波堤に行くと必ずといっていいほど海の中を覗いてしまいます。この行為はお目当ての魚を探しているのではなく、何も考えずにとっさにその行動をやってしまうのです。そのときに魚でも発見したら「いる、いる」なんて無邪気に反応してしまう、面白いですね。
 一緒に出かけた仲間が大物を釣ったら、うれしさと悔しさ半々で、すかさず「エサは何を使った」なんて必ず聞いてしまいます。私の友人に思わず笑ってしまうエピソードがあります。友人が外国にクエを狙いに行ったときのことです。師匠と出かけた友人は不覚にも船酔いをしてしまい、竿を出さずに寝てばかりでした。そのときに師匠が「こんなところまで来て寝てばかりはいかんな。がん張って竿を出しなさい」というので、がん張ろうと気合を入れて友人は竿を出したら、何と思わぬ1奪ラスのクエが釣れたのです。師匠は喜んでくれたと同時に「ところでエサは何を使ったんや」と聞いてきたそうです。「ハイ、ムロアジを2匹掛けました」と答えたら「キミね、このエサの少ないときに2匹はいかん」と師匠が強い口調で話したので「すいません」と平謝りの友人。ふと師匠を見た友人、何と師匠は隠れてムロアジを3匹掛けていたそうです。ホント、釣り人って面白くてユニークで、そして素直な人種ですね。



 前振りが長くなりましたが、私は釣りだけでなくお魚そのものを見るのも大好きです。特に青空市場は暇があれば顔を出して、家内に「あの魚はいい値段しているな。オレが釣ってきたのは○○円するわ」「ちょっと小さいな、あんなのを出すなよ」なんてついつい比べながら、余計なことを話してしまいます。家内はいつものことなので「そう」とそっけないのですが…。青空市場にいくとその時期の魚の旬が分かる上に、顔なじみになると美味しい漁師料理も聞けるし、いいことずくめです。一般の人にも青空市場へ行くことをお勧めします。というのもスーパーでは切り身の魚が多く、本来の魚の姿が分かりませんが、ここ青空市場なら新鮮な魚がそのままの姿で並んでいます。中には生きたものを泳がせています。ぜひ子ども達にも見せてほしいし、魚に触ってほしいと願っています。


 そこで関西の青空市場の紹介です。私がお勧めするのは大阪府堺市にある「出島のとれとれ市」です。ここには5軒の魚屋さんがお店を出していますが、そのうちの4軒は地魚を専門に取り扱っています。そう、旬の魚が常に店頭に並んでいるのです。先日も顔なじみの「丸高水産」に出向くと、旬のアコウがありました。アコウとは関西での呼び名で和名はキジハタです。ハタ科の魚で幻の魚といわれるクエとは親戚のようなものです。とてもおいしくて、キロ当たり1万円もするときがある高級魚なのです。
 そのアコウを丸高水産は網で獲っているのですが、今季は順調に水揚げがあるようで、出かけた日のお値段は「何と25〜28造2匹で1000円」という超安値となっていました。ただ、アコウは超目玉ですので、7時からの開店に行かないと売り切れになってしまうそうです。また、この“釣り日和”を目にした時点でアコウの漁があるかどうかは不明ですので、その辺りはご了承ください。アコウがなければそれに代わる旬の魚があるので心配は無用です。

 ほかのお店にはシャコ、エビ、カレイ、イカ、ウシノシタなどいろいろな魚がいっぱいです。そしてここに出かけたら魚を買うだけでなく、食べる楽しみも体験してほしいと思います。名物はタコ飯とカニ汁のセットです。地元で獲れたマダコを使ったタコ飯は大好評で、それをお目当ての人が午前10時ごろから押しかけます。私も出かけるたびに食していますが、言葉では表現できないほど美味しいですよ。あと、新鮮な食材を購入して七輪(お肉付きで有料)で家族や仲間と焼いていただく、きっと会話がはずむこと間違いありません。なお、とれとれ市は土、日だけの営業となっています。


●今週の一押し●

 

 近年はアオリイカブームで、釣りジャンルを問わず、いろいろな釣り方で狙っています。福井県若狭大島では磯やイカダからのエギングで胴長12−20造凌兄劼絶好調です。特に磯釣りはコンスタントで慣れた人は1人で40−50パイも上げています。
 秋口はアオリイカが数釣れる季節ですので入門には最適です。ちょっと練習すれば2ケタは期待できるはずです。そしてどこの磯に上がっても釣れるので、混雑することなく釣れるのもうれしい限りです。
 使う餌木はピンク系統がよく、サイズは2・5−3号がベストです。ただ、日によってヒットカラーが異なることもあるので、最低でも3カラーは持参しましょう。平均してベタ凪のときにアオリイカの乗りはいいようです。これからは1船ラスもよくヒットするのでパワフルな引きが味わえます。

◆問い合わせ あみや渡船筍娃沓沓亜Γ沓掘Γ娃僑隠帰
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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