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森永誠の釣り日和

2007.07.16 Monday第4回 「釣ってよし!食べてよし」大阪湾のマダコ

 夏がとっても似合うターゲットはいろいろありますが関西で“梅雨の水を吸って成長する”といわれる人気モノがマダコです。タコの仲間は世界中に約200種類、ヒョウモンダコのような毒を持つものから、足を伸ばすと3辰砲眞するミズダコもいます。クネクネと動きまわるタコは生命力が高いように思われますが、哀れなことに1年から2年しか生きることができません。大阪湾の漁師さんの中には「交尾をすると1年の命、交尾をしないものは2年生き延びる」といいますが本当かどうかは分かりません。
 関西では防波堤からのマダコ釣りが盛んで、シーズンになるとタコジグを手にした釣り人がずらりと並びます。マダコの引きはただ重いだけといわれます。それなのになぜ人気があるのでしょうか。数年前にアンケートを取ったことがあります。すると掛け合わせの面白さを挙げる人が多く、その次においしいから狙うという答えが返ってきました。大阪湾のマダコは甘くておいしいという評判で、スーパーや魚屋さんに並ぶものはけっこうな値がします。



 掛け合わせの面白さは私も同感です。つい先だって大阪府岸和田一文字でマダコ釣りを楽しみました。いつもなら防波堤の際にマダコは付くので、タコジグは際スレスレに落として誘うのが基本です。ところが今季は際にはいなく、防波堤の基礎石の上やかけ上がりにマダコは付いているのです。従ってチョイ投げしての引き釣り、あるいは基礎石の上をトントンと叩くといった誘いでタコジグに乗せるのです。
 結果は2割に満たない惨敗でした。10回以上当たって乗せたのはわずかに2匹とは…。常連さんは2ケタ突破していたというのに悔しい。この日はチョイ投げして引くとグーと重くなることが多く「根掛かりや」と勝手に思い込み、合わせずに引くとスーと寄ってきました。「あっ乗っている」と慌てて寄せると水面でポロリ。このパターンばかりでした。根掛かりとマダコが乗っているのが判別できなかったのです。
 マダコの武器は4対の腕にある吸盤です。この吸盤で獲物を取るのですが、タコジグに乗せると「しまった」とばかりに吸盤を基礎石に引っ付け、動かないようにとがん張るのです。ある研究者はそのタコの体重の20倍の荷重をかけても離すことがないといいます。それほど吸盤はパワフルなのです。その吸盤も使うほど古くなり、常に最大の吸着力を発揮できるようにしておかないとマダコは生きていけないのです。そこはうまくなっていて、表皮がいつしか剥がれ落ち、表面は常に新しい皮膚が保たれているのです。



 そこでマダコ釣りは、グーンと重くなっても根掛かりとは思わず「乗ったぞ」と確信し、すぐに合わせて寄せる必要があります。それをあらためて思い知らされた1日となりました。いい勉強になりました、ハイ。
 数年前に母親のマダコの愛情ぶりを目にする機会がありました。大阪市内のお寿司屋さんの水槽でマダコが産卵したという情報が入り出かけたのです。タコツボの内側には藤の花に似た卵の房“海藤花”(かいとうげ)がありました。この海藤花に母親ダコは新鮮な水を送り、ゴミを取り除くなどフ化するまでエサも取らずに献身的な保護を続けるのです。実は海藤花は珍味で、お客さんから食べたいという要望もあったようですが、愛情を感じたご主人はタコと卵を故郷である淡路島に戻したと聞きました。そして母ダコはフ化が終わるとその短い一生を終えるのです。子育てをしない、子どもの虐待がいわれる昨今、タコの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい心境です。あっ、タコって爪があったっけ?
 マダコは下処理が楽で料理しやすいのですが、ヌメリだけは苦手という人が多いようです。このヌメリを簡単に取る方法があります。スーパーの袋にマダコを入れて、そこに粗塩を入れて袋のフタの部分を縛ります。そして袋の外側から手でごしごしと揉むだけでマダコのヌメリが取れるのです。あとは中のマダコを水洗いするだけですから一度試してください。




●今週の一押し●

 徳島県堂の浦のカセ釣りでマダイ、スズキが面白くなってきました。堂の浦は全天候型でチヌ釣り場としても有名なところで、波静かですので初心者でも安心して楽しめます。
マダイ、スズキ釣りはウタセエビをポイントに撒き、サシエもウタセエビで釣るのがセオリーです。
先日には私が出ているレギュラー番組「ビッグフィッシング」の司会者であるオール阪神さんらが釣行しました。
阪神さんは57促泪瀬ぁ同行の南出正太郎さんも53促泪瀬い鬟殴奪箸靴燭曚スズキも2匹上がるなど、これから7月いっぱいは十分狙えます。エサのウタセエビは数に限りがありため予約が必要です。

◆渡船 斎藤釣渡船筍娃牽検Γ僑牽検Γ娃苅毅晦

2007.07.01 Sunday第3回 大阪湾“年無し”から“ロクマル”時代へ


 
昔から大阪湾は“チヌの海”と呼ばれています。その言葉通りチヌがすごく多かったからで、真夏の波止キラーといわれる落とし込み釣りが伝わってからはさらに数も、型も釣れるようになりました。落とし込み釣りが伝わる以前のチヌ狙いは半夜釣りと相場は決まっていて、釣れてもせいぜい5、6尾で2ケタ釣りなんて夢のような数字でした。
それが落とし込み釣りが主流になると2ケタ釣りは珍しくなく、その情報が全国に流れ東京、広島方面の釣り人が夏に遠征してくるほど大阪湾がクローズアップされたのでした。

 新釣法で数も型もバンバンと釣りまくっても大阪湾のチヌは減少せず、逆に増える一方で50造噺討个譴襦版無し”も当たり前に釣れるようになりました。
なぜに超大型が釣れるようになったのか、それは“チヌ放流”が大きいと関係者は口をそろえて話します。
 チヌの放流がスタートしたのは昭和58年からです。
日本釣振興会大阪府支部、大阪府釣り団体協議会主催で、毎年8月にチヌの稚魚3万匹を「チヌの海ふたたび」を合言葉に放流しているのです。
今年も間違いなく放流が行われるはずですから、今年で25回目を迎えます。

 50詑罎離船未釣れるようになった時期と放流チヌの生育を私なりに調べてみると、これがピタリと当てはまるのです。
チヌの生育は1年で12臓2年で18・7臓■廓で22・4臓■看で24・5臓■鞠で25・9臓△修靴13年で39・4造箸いΕ如璽燭あります。

50造棒長する年数はまだ解明されていませんが、成長過程から単純に判断すると20年ほど掛かると思われます。
50詑罎各地で頻繁に釣れるようになったのは5年ほど前ですから、この超大型は放流物と考えても間違いなさそうです。

  大阪湾に放流される稚魚は大阪府泉南郡岬町にある大阪府立水産試験場で親魚養成→採卵→稚魚の飼育→中間育成という手順で種苗生産が行なわれています。

3月上旬から4月下旬にかけて水槽の温度を1度ずつ上げて、最終的には17度ぐらいにしてチヌの産卵期を人為的に調整していきます。
ふ化直後は2・5世涼婬が約100日で50世棒長します。このサイズを大阪湾に放流しているのです。



大阪湾は比較的に外敵が少なく、エサとなるプランクトンも豊富で、順応性と定着性に優れているチヌの稚魚は放流した翌日にはエサを取って、すくすくと育っていくのです。地球温暖化による水温の上昇、そして放流チヌは低水温に強いということで、いまではシーズン・オフはなくなってしまいました。

 チヌの稚魚放流が続く限り大阪湾のチヌ釣りは間違いなく楽しめそうです。そしていまでは“年無し”から“ロクマル”の時代となりました。ロクマルとは 60造離船未里海箸任后6瓩いΔ舛縫蹈マルが大阪湾で狙って釣れるようになるかもしれませんよ。




●今週の一押し●

 パールピンクに輝く魚体が美しいキスが兵庫県家島の乗合船で好調に釣れています。家島周辺の水深25〜30奪薀ぅ鵑キスのポイントで、16〜27造鬘運佑70尾以上の釣果が続いています。キス天秤を使った2本バリ仕掛けでエサはイシゴカイ、アオイソメを使っています。30号のオモリで底をトントンと叩くような感じで誘ってハリに乗せます。日によっては28詑罎盧じり、体に似合わないそのパワフルな引きが釣り人を魅了します。

 キスといえばテンプラが最高ですね。美味しく頂くコツを紹介します。テンプラ粉に市販の切り餅をおろし金でおろして、そのおろした餅をテンプラ粉に混ぜて揚げるのです。小粒の餅が膨らみパリパリ感のあるテンプラが出来揚上がります。時間が経過してもパリパリ感が持続するので、帰りの遅いお父さんも美味しいキスのテンプラを食べることが出来るのです。一度試してください。

▼乗合船は山本丸筍娃沓后Γ械横供Γ娃横械権
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森永誠
森永誠

森永誠(もりながまこと)
昭和31年に世界遺産で有名な鹿児島県屋久島で生まれる。中学1年で大阪に移り、大学卒業後に週刊釣りサンデーに入社して編集部員に。25年勤続したが廃刊を機に独立して編集プロダクション「オム・オーシャン」を設立。現在、サンテレビ「ビッグフィッシング」レギュラー、ラジオ大阪・月曜日「むっちゃ元気・オール阪神の週間釣り道楽」レギュラー。サンケイスポーツ、日刊ゲンダイ、週刊つりニュースなどに執筆中。釣りは何でもこなすが手軽に楽しめる防波堤の釣りや投げ釣りを好む。

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